ラベル 春の勉強会 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 春の勉強会 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2018年5月24日

第15回 春の勉強会

ゲノム情報から見た雑穀の起源と形質の進化
1. 日時:2018年5月26日(土)13:30~17:00
2.場所:京都大学農学研究科 栽培植物起源学研究室(京都府向日市物集女町中条1)
3.プログラム
 13:30~ 受付
 14:00~ 講演
 1.遺伝学から見たアワの作物進化 
       福永 健二 (県立広島大学)
2.ソバのゲノム解読からみえてきたこと
       安井 康夫 (京都大学)
 (休憩  希望者はコムギなどの圃場見学)
3.総合討論

参加費:一般 500円、学生無料
会場へのアクセス
JR東海道線桂川駅から徒歩20分(バス利用7分)、阪急京都線洛西口駅から徒歩12分 (バス利用5分)。
徒歩の場合は両駅から西へ直進。バス利用の場合は両駅前からヤサカバス(1号、2号、7号)、または京都市営バス(市営西4、特西4、69、70など)で物集女停留所下車。
会場周辺の地図は、こちらでご確認下さい。 http://www.crop-evolution.kais.kyoto-u.ac.jp


 

2016年5月21日

第14回春の勉強会 2016年5月21日開催

雑穀研究会 第14回春の勉強会 2016年5月21日開催

日時 2016年5月21日(土)10時30分 〜 17時

場所 近畿大学農学部(奈良市中町3327-204 近鉄奈良線富雄駅よりバスで約10分)

   および、大和高原(奈良市旧都祁村)

     プログラム
5月21日(土)

午前の部(於:近畿大学農学部:新教室棟212教室)
10時半~11時半 講演①「日本における自家採種の社会的評価」(西川芳昭:龍谷大学経済学部)

11時半~12時  講演②「大和高原における雑穀栽培の現状」(鶴田格:近畿大学農学部)

12時~ 移動

午後の部(於:大和高原)
13時 奈良市旧都祁村

13時半~16時 モロコシで着色した赤飯の食事およびインタビュー。

モロコシを栽培し、赤飯をつくっているおばあさんたちへのインタビュー、

神饌用のアワ、キビを栽培している農家へのインタビュー、

圃場見学など

17時 近鉄奈良駅に帰着・解散

2013年6月29日

第13回 春の勉強会 2013年6月29日開催


日時:2013年6月29日(土)14:30~17:00
場所:京都大学北部構内農学生命科学研究棟1Fセミナー室
テーマ:西アフリカの雑穀農業とイネ科植物の利用

1.アフリカ半乾燥地における採集活動 ―ブルキナファソ北部におけるイネ科野草の利用―
       石本 雄大 (総合地球環境学研究所)
2.西アフリカ半乾燥地の風土と雑穀農業
       三浦 励一 (京都大学農学研究科)

2012年5月26日

第12回 春の勉強会 (2012年5月26日開催)

日時:2012年5月26日(土)(13:30~17:00)
場所:コラボ産学官プラザ内 信州大学東京オフィス
  セミナールーム
1.ダッタンソバの起原地周辺の環境、栽培と利用  井上直人
2.ダッタンソバ易脱ぷ性四倍体変異を利用した機能性食品開発   加藤 太

2011年6月26日

第11回 春の勉強会 (2011年6月26日開催)

<テーマ>デンプン利用の考古学と民族誌

1.日本の考古学研究における残存デンプン粒分析の現状と課題
                  渋谷 綾子(広島大学総合博物館)
2.ワラビ粉利用の歴史民族誌:日本とニュージーランドの比較
               ピーター・マシウス(国立民族学博物館)

 デンプンを手がかりに人類の過去の食生活を探る試みとして、考古学、および比較歴史民族誌から話題を提供していただいた。
 遺跡土壌中や、出土遺物に付着したデンプン粒の分析は、近年、急速に発達した分野であり、渋谷氏は、日本における先駆的な研究者の一人である。雑穀研究会では、過去の勉強会でも考古学における雑穀を取り上げ、灰像法やレプリカ法といった分析技術とその雑穀への応用例について報告していただいたことがある。今後、デンプン分析という手法も、雑穀の考古学的な研究の有力な手がかりとなることが期待される。
 マシウス氏は、ワラビの地下茎の貯蔵デンプンの利用に着目し、日本の民俗事例とニュージーランドの先住民族マオリの民族誌における記述を比較、いずれの地でも過去にワラビが主要なデンプン源であった可能性を指摘した。マオリはイモ類を栽培する農耕民であったが、ニュージーランドに広く自生するワラビの地下茎も重要な食料源としていた。19世紀の民族誌によると、マオリは掘り出した地下茎を低温の火で炙り、叩いて割り、歯で噛みしごくようにしてデンプンを食べていた。日本でもワラビ粉は広く採集、利用されてきたが、その利用の始まりはおそらく農耕以前にさかのぼるであろう。縄文時代のデンプン源としては、堅果類があったことが考古学的にわかっているが、ワラビもまた重要なデンプン源であった可能性が考えられる。
 両講演に関して、参加者により質疑応答が行われた。現在、日本ではワラビはデンプン源としてよりも山菜として利用されているが、山菜として栽培されている事例が紹介された。また、岐阜県高山市にワラビ粉採取に関連した道具と小屋が保存されているという情報も提供された。

2010年5月15日

第10回 春の勉強会 (2010年5月15日開催)

日時:2010年5月15日(土)13:00〜16:00
場所:東京農業大学世田谷キャンパス
テーマ:「地中海をとりまく雑穀食文化」

講演
1. イタリアにおける雑穀料理  柴田なほち(有限会社ピアーチェ取締役)

2.エチオピアの食文化     小林裕三(国際農林業協同協会)

2009年5月16日

第9回 春の勉強会 (2009年5月16日開催)

日時:2009年5月16日(土)13:30〜17:00
場所:京都大学北部構内農学生命科学研究棟1Fセミナー室
テーマ「ムギ農耕から生まれた作物と雑草」

講演
1.えん麦の来た道 —栽培種の進化と起源—
    森川利信  大阪府立大学声明環境科学研究科
2.ムギ栽培とドクムギの擬態随伴
    冨永 達  京都大学農学研究科

2008年5月17日

第8回 春の勉強会 2008年5月17日開催

第8回 雑穀研究会 春の勉強会      
テーマ:考古学における雑穀研究の現状
日 時:平成20年5月17日(土) 13:00~17:00
場 所:東京学芸大学 環境教育実践施設 多目的教室
主 催:雑穀研究会
協 力:植物と人々の博物館

[プログラム]
13:00  挨拶・連絡など
会長挨拶:竹井恵美子(大阪学院短期大学)
事務連絡:木俣美樹男(東京学芸大学)
趣旨説明・司会:安孫子昭二 (大成エンジニアリング)
13:20  フローテーションによる雑穀の抽出

       黒尾和久(あきる野市前原遺跡調査会)
13:40  レプリカ法による種子鑑定

       丑野 毅(東京国際大学)
14:00  縄文時代のマメ利用

      中山誠二(山梨県立博物館)
14:30  縄文時代のイネ科雑穀の利用

      高瀬克範(明治大学文学部)
15:15  弥生~古墳時代の雑穀研究の現状

      浜田晋介(川崎市市民ミュージアム)
15:50  全体討議
16:50  まとめ・連絡:木俣美樹男
17:00~19:30  終了後、懇親会

参加費(資料代):当日、申し受けます
一般 3000円、学生 1000円 
懇親会費は別に、一般2000円、学生 500円

2007年5月26日

第7回 春の勉強会 (2007年5月26日開催) 


日時:2007年5月26日(土)13:30~16:15 
場所:大阪学院短期大学1号館B1-03教室(大阪府吹田市)
テーマ:台湾の雑穀


1)「現代台湾原住民におけるアワの栽培と利用―南部のルカイ・パイワンの村落 にみる」  林麗英(龍谷大学大学院国際文化研究科)
2)「台湾の雑穀、1982年3月、2007年5月の調査報告」 竹井恵美子(大阪学院短期大学国際文化学科)

2006年6月24日

第6回 春の勉強会 2006年6月24 日開催

日時:2006年6月24 日(土)14:00~16:00 
場所:日本大学生物資源科学部本館7階71教室(神奈川県藤沢市)

テーマ:ブルキナファソとブータンの雑穀-近代化と雑穀を取りまく現状-
1)「ブルキナファソにおける雑穀栽培の現況」  倉内伸幸 (日本大学生物資源科学部)
 自然環 境と農業の概要、穀物の栽培地分布。北部・中部はトウジンビエとモロコシ、南部はトウモロコシの栽培が多い。粉食で飲み込む食文化である。アフリカイネは ほとんど見られず、インディカが多い。水利がよいので、ネリカは作らない。アニマルフォニオは見なかった。これはセネガルではトー(平たい団子様の食品) にして食べている。トウモロコシのトーはオクラなどのソースをつけて食べる。牛乳粥も食べる。トウジンビエはたこ焼き様の食品を油であげて作る。フーフー も作る。ドロ(ビール):発芽したモロコシ粒を煮て甕に入れ、ドロを加えて3-4日発酵させる。
 (質問など)ラオスでは、近年炊飯器が普及して、モチ米を食べ なくなってきたが、ブルキナファソでは、このような調理法の変化はあるのか。ここでは変化は少なく、伝統的な調理法が保たれている。

2)「ブータンにおける雑穀の利用の変化と山菜」  根本和洋(信州大学大学院 農学研究科)
 自然環境の概要。森とであった遊牧民(栗田 1986)。西部 はイネ、東部はとうもろこしが多い。雑穀類の収集には関心がなく、ジーンバンクの収集系統は少ない。アワ10系 統が試験されていた。ジュズダマの首飾りがあった。赤米、カラン(トウモロコシの引き割り)、エマ・ダチ(トウガラシ、チーズ料理)、ケワ・ダチ(ジャガ イモチーズ)、ナケ・ダチ(ワラビ・ゼンマイ、チーズ料理)。ソバはプッタ(押し出し麺、ゆでて油であえる)とクレ(ホットケーキ様の食品)する。焼畑が 近年禁止され、雑穀栽培が減少した。ソバとシコクビエは比較的残っている。ブムタン2600mにも水稲栽培が見られた。インドからイネを輸入している。ソ バをジャガイモ栽培に切り替えて、インドに輸出している。ダッタンソバは薬用として少し栽培している。普通ソバは青刈りして家畜の飼料にもする。野菜栽培 が1970年代に普及して、野生植物の利用は減り、伝統的な知識が失われつつある。イラクサはスープに入れる。野生のアスパラガスがある。ウワバミソウ、 ドクダミ、シダ類など苦味のある草本の利用が多い。マムシグサは有毒で利用法は不明。21科30種の野生種の利用が確認できた。ハヤトウリの地下茎も売っ ていて食べる。
 (質問など)きのこの利用法の調査はあるのか。キネマ(納豆) はネパール系ブータン人が食べている。ソバ粉はすぐに乳酸発酵してしまうが、こうした酸味、苦味の嗜好があるのか。

2005年5月14日

第5回 春の勉強会 2005年5月14 日開催

日時:2005年5月14 日(土)14:00~16:00 
場所:日本大学生物資源科学部本館7階71教室(神奈川県藤沢市)

 テーマ:遺跡発掘から知る当時の雑穀栽培

1) 「古墳時代、火山噴火で埋没した農耕地の実態について―群馬県子持村の遺跡より―」 石井克己(群馬県子持村教育委員会)


2) 「遺跡から出土した雑穀の識別」 松谷暁子(東京大学総合研究資料館)

2004年6月19日

第4回 春の勉強会 2004年6月19日開催

日時:2004年6月19 日(土)13:00~17:00 
場所:大阪学院短期大学15号館地下教室(15-B1-01)(大阪府吹田市)

 テーマ:歴史学分野からの雑穀研究

1)「方法としての雑穀-日本史像の深化のために-」  木村茂光(東京学芸大学教育学部)


2)「清末華北における穀類栽培-歴史的視野から」  大澤正昭(上智大学文学部史学科)


*発表と報告を雑穀研究No.20にてご覧になれます

2003年5月10日

第3回 春の勉強会 2003年5月10日開催

日時:2003年5月10日(土)13:30~17:30 
場所:日本大学生 物資源科学部本館(神奈川県藤沢市)
テーマ:アンデス高地の雑穀キノア
1)「日本におけるキノアの栽培について」   氏家和広(日本大学大学院生物資源生産科学専攻)
 キノアの品種は,起源地によりAltiplano, Salar,Sea-level,Valleyの4つに分類される.これらを3~9月の間に播種した ところ,播種期によって収量が異なった.すなわち,Sea-levelタイプは3月に,Altiplano,Salar,Valleyタイプは7月に播種 することで多収となった.さらに全てのタイプ,全ての播種期を通じて,最も収量が多くなったのはSea-levelタイプの3月播種であった.また, Sea-levelタイプの中では,NL-6が最も多収となった.単位面積当りの収量は,栽植密度により異なり,平方メートル当り10個体より,200個 体の方が多く,10a当りで400kgを越えることも可能である.高土壌水分による生育阻害はアマランサスより大きく,出芽率や粒数が著しく低下した.し たがって,水はけの悪い水田転換畑などでの栽培には向かないと考えられる.
2)「キノア種子の栄養食品学的特性」  小西洋太郎(大阪市 立大学大学院生活科学研究科)
 南米アンデス地方原産の栽培作物キノア(Chenpodium quinoa Willd.)は、アマランス(Amaranthus spp.)とともに、高タンパク・高ミネラル食材として注目されている。キノアの種子は直径約2.5 mmの凸レンズ状であり、リング状の胚(タンパク質、脂質、ミネラルが分布)が外胚乳(澱粉貯蔵組織)を取りまく構造をしている。果皮・種皮にはサポニ ン、食物繊維が多く分布している。 低利用作物キノアの利用拡大計画として、演者らはキノア種子の各組織(果皮、外胚乳、胚)の分画や発芽種子の化学成分 の分析を行っている。本講演では、特に澱粉、ミネラル、生理活性成分(コレステロール低下作用)について紹介したい。

2002年4月27日

第2回 春の勉強会 2002年4月27日開催

日時:2002年4月27日(土)13:30~17:30 
場所:東京学芸大 学環境教育実践施設多 目的教室(東京都小金井市)

 テーマ:ラオスの農業と農民の暮らし
 世話人:根本和洋(信州大学農学部)、落合雪野(京都大学東南アジア研究セン ター)

1)「雑穀に関するイントロダクション」  落合雪野(京都大学東南アジア研 究センター)

2)「南ラオスの人と生活-農村と市場から-」   虫明悦生(京都大学大学院農学研究科)

3)「ラオス北部山地の焼畑農耕」   縄田栄治(京都大学大学院農学研究科)

総合討論:ラオスの雑穀栽培

<世話人からのひとこと>
 今回の勉強会では、東南アジア大陸部に位置するラオスを取り上げます。ラオス では、さまざまなエスニックグループに属する人々が暮らしており、深い森 林に囲まれた山地やそのなかに点在する盆地、またメコン川流域の平地など多様な自然環境のもと、自給色の濃い農業がいとなまれてきました。このようなラオ スでフィールドワークをおこなっている虫明さん、縄田さんの報告を通じて、農業の移り変わりや農民の暮らし、そしてそのなかで栽培され利用されてきた雑穀 について考える機会にしたいと思います。
 勉強会の内容は、まず、落合がラオスの雑穀について簡単な紹介をします。落合 は1999年にラオスでハトムギを中心に雑穀についての現地調査を行い、その 成果を第14回雑穀研究会シンポジウムや、『雑穀研究』15号で報告してきました。今回はこれらに付け加えるかたちで、ラオスを含めた東南アジア大陸部で 栽培される雑穀の種類や栽培の様子をまとめてスライドでお見せし、雑穀に関する全体的な案内にしたいと思います。
 このイントロダクションに続いて、2人がそれぞれ60分づつ報告をおこないま す。最初に報告する虫明悦生さんは、ラオスとタイ東北部を対象にフィール ドワークをしてきました。おだやかな人柄と完璧なラオ語で人びとに溶け込み、農業や日常生活について多角的かつ長期的に情報を収集しています。今回はラオ ス南部の農村と市場に焦点を当て、幅広い視点からお話いただく予定です。つぎに報告する縄田さんは、熱帯農学の専門家です。2000年からラオス北部のウ ドムサイ県の山地農村に研究のベースをおき、陸稲を中心とした焼畑農耕とその変遷、また集落周辺の森林から得られる生物資源の利用について、詳細な調査を おこなってきました。今回は現地焼畑の農耕慣行について、また農民のフードセキュリティについてお話いただく予定です。

2001年4月28日

第1回 春の勉強会 2001年4月28日開催

日時:2001年4月28 日(土)13:30~17:30 
場所:龍谷大学瀬田学舎龍谷エクステンションセンター(REC)(滋賀県大津市)


テーマ:アフリカの雑穀をめぐって

1)
「西アフリカのトウジンビエ栽培と脱粒型トウジンビエ」  三浦励一(京都大学大学院農学研究科)
 トウジンビエはアフリカとインドの夏雨型半乾燥地で、ソルガム とならぶ主要穀物となっている。その起源地と推定されている西アフリカでは、トウジンビエ の畑の中に、雑草型ともいわれる脱粒性トウジンビエがごく普通に混在している。この脱粒型は、あるときは除草され、あるときは収穫して食用とされ、作物と 雑草のあいまいな境界をなしている。
 これまでの観察と実験の結果からは、脱粒型トウジンビエの大部分は、播きつけた非脱粒型の種子から生じているらしい。トウジンビエは雌性先熟による他殖 性の植物であるため、脱粒型の花粉によって種穂が汚染されるのである。花粉を通じて継代しているらしいこの脱粒型は、おもしろいことに、「男トウジンビ エ」を意味する地方名で呼ばれている。しかし、脱粒型が集団の中に維持される遺伝的機構には、まだわからないことが多い。
 トウジンビエの栽培法の地理的変異や利用法についてもあわせて紹介する。

2)「エチオピアの森林焼畑農耕にみる環境・技術・社会」  佐藤廉也(九州大学大学院比較社会文化研究院)

 エチオピア南西部の熱帯林に住むマジャンギル人は、その豊かな森林資源を利用して、焼畑 農耕、蜂蜜採集、狩猟などの生業を行う。彼らの伝統的な生業形態 は、数年ごとに耕地を、また十数年から数十年ごとに集落を移動させることによって森林を循環的に利用するものである。ここでは、農耕技術を具体的にみると ともに、今世紀前半から現在に至る集落移動史を追うことによって、森林農耕における環境、人口、技術、社会構造の関連性と意味について考えてみたい。
 マジャンギルの農耕は、モロコシ、トウモロコシ、ヤム、タロ、サツマイモ、 キャッサバなど多種多様な作物の組み合わせ、休閑と伐採のローテーション、そ して季節的に異なるタイプの播種・伐採技術を用いることによって成り立っている。これらは全体として、生産の強化や人口の集中を抑制し、労働生産性を高め るとともに森林資源の持続的な利用を可能にするシステムであったと演者は考えている。それを検証するために、長期の集落動態や近年の社会状況の変化への対 応を具体的にみていきたい。