2002年4月27日

第2回 春の勉強会 2002年4月27日開催

日時:2002年4月27日(土)13:30~17:30 
場所:東京学芸大 学環境教育実践施設多 目的教室(東京都小金井市)

 テーマ:ラオスの農業と農民の暮らし
 世話人:根本和洋(信州大学農学部)、落合雪野(京都大学東南アジア研究セン ター)

1)「雑穀に関するイントロダクション」  落合雪野(京都大学東南アジア研 究センター)

2)「南ラオスの人と生活-農村と市場から-」   虫明悦生(京都大学大学院農学研究科)

3)「ラオス北部山地の焼畑農耕」   縄田栄治(京都大学大学院農学研究科)

総合討論:ラオスの雑穀栽培

<世話人からのひとこと>
 今回の勉強会では、東南アジア大陸部に位置するラオスを取り上げます。ラオス では、さまざまなエスニックグループに属する人々が暮らしており、深い森 林に囲まれた山地やそのなかに点在する盆地、またメコン川流域の平地など多様な自然環境のもと、自給色の濃い農業がいとなまれてきました。このようなラオ スでフィールドワークをおこなっている虫明さん、縄田さんの報告を通じて、農業の移り変わりや農民の暮らし、そしてそのなかで栽培され利用されてきた雑穀 について考える機会にしたいと思います。
 勉強会の内容は、まず、落合がラオスの雑穀について簡単な紹介をします。落合 は1999年にラオスでハトムギを中心に雑穀についての現地調査を行い、その 成果を第14回雑穀研究会シンポジウムや、『雑穀研究』15号で報告してきました。今回はこれらに付け加えるかたちで、ラオスを含めた東南アジア大陸部で 栽培される雑穀の種類や栽培の様子をまとめてスライドでお見せし、雑穀に関する全体的な案内にしたいと思います。
 このイントロダクションに続いて、2人がそれぞれ60分づつ報告をおこないま す。最初に報告する虫明悦生さんは、ラオスとタイ東北部を対象にフィール ドワークをしてきました。おだやかな人柄と完璧なラオ語で人びとに溶け込み、農業や日常生活について多角的かつ長期的に情報を収集しています。今回はラオ ス南部の農村と市場に焦点を当て、幅広い視点からお話いただく予定です。つぎに報告する縄田さんは、熱帯農学の専門家です。2000年からラオス北部のウ ドムサイ県の山地農村に研究のベースをおき、陸稲を中心とした焼畑農耕とその変遷、また集落周辺の森林から得られる生物資源の利用について、詳細な調査を おこなってきました。今回は現地焼畑の農耕慣行について、また農民のフードセキュリティについてお話いただく予定です。